
ほうれん草カレー(サーグカレー、パラクカレー)は誰でも簡単に作れる代表的なインドカレーの一つです。
街中のインドカレー屋さんでも、チキンカレーに次いでよく見かけるかと思います。緑色のカレーは一度食べたことがある人であれば非常に印象に残るカレーではないでしょうか。
実は、最低限使うスパイスは、スーパーでも手に入りやすいものばかりです。
今回は、お手軽に作れるほうれん草カレーの作り方と、使用するスパイスについて解説します!
備考:サーグとは、ヒンディー語で、青菜や菜葉を指します。パラクは、その中でもほうれん草を指します。
目次
- インド風ほうれん草カレーに使うメインのスパイス
- ほうれん草カレーをインド風にランクアップさせるスパイス
- インド風ほうれん草カレーの作り方
- ほうれん草カレーの緑色を鮮やかにする方法
- ほうれん草カレーをさらにインド風にするためのワンポイント
1.インド風ほうれん草カレーに使うメインのスパイス
・コリアンダーパウダー
セリ科の植物の種子。「コリアンダー」と聞くとあまり馴染みがないようなものに思いますが、実はパクチーの種を乾燥させ、パウダー状にすりつぶしたものです。
パクチーの青臭さからはあまり想像できないと思いますが、コリアンダーパウダーはカレーの味や香りを構成する中心的な役割を担っています。
ほうれん草カレーのみならず、さまざまなインドカレーにおいて活躍する優れものです。もしカレー作りに興味があるのでしたら、まず手に入れることをお勧めします。
・クミンパウダー
セリ科の植物の種子。クミンは中華料理をはじめ様々な国の料理でも見かける代表的なスパイスの一つです。
クミンは加熱することで一気にいわゆるカレーらしい香りや味になります。インドではカレー以外にもサブジ(炒め物)や飲み物にも使用したりします。
ほうれん草カレーにおいても例に漏れず必須アイテムです。
・チリペッパーパウダー(唐辛子のパウダー)
唐辛子をパウダー状にしたものです。辛さを調整する上で必要になります。
入れすぎには注意し、4人前小さじ1/2程度から調整しましょう。唐辛子には様々な種類のものがあり、物によっては辛味がない唐辛子もあったりします。
・ターメリックパウダー
秋うこん。ショウガ科の植物の地下茎の部分です。
パウダーにしたものを使うのですが、実は他のスパイスと比較し、使う量は一番少ないケースが多いです。
入れすぎると渋い香りと味、何より黄色い色が他のスパイスよりも優ってしまうため、小さじ1/4程度から調整しましょう。ほんの少し色付けする程度で使うイメージです。
インドの家庭では風邪を引いた際に、ホットミルクにターメリックパウダーを溶かしたものを飲む習慣もあるそうです。
2.ほうれん草カレーをインド風にランクアップさせるスパイス
さらにインド風な本格カレーに挑戦してみたい方は、これらのホールスパイス(パウダーになる前の原形のスパイス)を使うことでよく複雑な香りを楽しむことができます。
ランクアップといっても、最初にスパイスをさっと炒めるだけなので調理は難しくないですよ。ぜひトライしてみてください。
・カシアシナモン
クスノキ科の木の樹皮。シナモンは、日本でも非常にポピュラーなスパイスですが、シナモンには実は複数種類があります。
主にセイロンシナモンとカシアシナモンがあり、セイロンシナモンは上品な甘い香りが特徴で、お菓子作りやスリランカのカレーにおいて頻繁に登場します。
一方でインドカレー作りにおいてはほろ苦さやピリッとした辛みをもつカシアシナモンがよく使われています。
・クローブ
フトモモ科の樹木チョウジノキの花のつぼみ。シナモンよりも見かける頻度がすくないかと思いますが、東南アジアだけでなく、西洋でもよく使われるスパイスです。
独特な重厚感のある香りが特徴的で、一つ一つは大きくないのですが、入れすぎると香りの主張が激しくなるので要注意です。
・(グリーン)カルダモン
ショウガ科の植物の種子。爽やかな香りが特徴的なスパイスです。緑色の鞘の中にある黒い種子から強い香りが出ます。
マサラチャイの仕上げに入れたり、インドスイーツにも使われます。非常にポピュラーなスパイスではあるものの、スパイスの中では高価な部類に入ります。
・クミンシード
セリ科の植物の種子。クミンパウダーの元になる種子です。油で炒めることで一気にカレーを想起させる香りが出てきます。
カレーだけではなく、炒め物などインドカレーに留まらず幅広く応用が可能な優れたスパイスです。
・カスリメティ
マメ亜科の一年草植物。本来はフェヌグリークと呼ばれる植物ですが、その葉っぱを乾燥させたものをカスリメティと呼びます。
スーパーでの購入は難しいですが、通販や輸入食材屋さんで購入ができます。
これらのスパイスは、最近では輸入食材屋さんだけでなく、一般のスーパーでも小瓶で販売していることを見かけるようになったので、手軽に購入することができます。
3.インド風ほうれん草カレーの作り方
スパイスが用意できたら、実際にカレーを作ってみましょう。
◆ 材料
- ほうれん草…1袋(200g程度)
- 玉ねぎ…1/2個
- おろし生姜…大さじ1/2
- おろしニンニク…大さじ1/2
- トマト缶…1/4個(100g)
- 鶏もも肉…300g
- 塩…小さじ1程度(お好みで調整してください)
- 水…1カップ(200ml)
- 生クリーム…50ml程度(お好みで調整してください)
パウダー(粉状)スパイス
ホール(原型)スパイス
◆下準備
①ほうれん草を5cmほどに切る。
②沸騰したお湯に塩少々(分量外)入れ、切ったほうれん草を茎の方から順にいれて柔らかくなるまで1~2分茹でる。ざるに上げ、流水で冷まして水気を切っておく。
③ほうれん草をミキサーにいれ、少量の水(分量外)と一緒によく撹拌させる。
④玉ねぎをみじん切りにする。
⑤スパイスや材料の計量をする。
⑥鶏肉を一口大に切る。
◆ カレー作り
①フライパンにサラダ油大さじ3をひき、弱火で1分、ホールスパイス(【材料】の●)を炒める。ホールスパイスはシナモン、唐辛子、カルダモン、クローブの順番で入れる(同時でもOK)。カルダモンとクローブがぷっくりと膨れてきたら、クミンを入れる。
Point:クミンは焦げやすいので玉ねぎを入れる直前に入れる。
②中火にし、みじん切りにした玉ねぎを加え、あめ色になるまで5分ほど炒める。
Point:油が少ないと炒めにくい。塩(分量外)を少し加え、初めはあまり触らないようにするとあめ色にしやすい。
③おろし生姜とおろしニンニクをいれ、香りが出るまでさっと炒める。
④ペースト状にしたほうれん草とトマト缶をいれて混ぜ合わせる。
⑤一度弱火にし、塩、パウダースパイス(【材料】の★)を入れ、よくかき混ぜなじませる。
⑥水を1カップ入れ、中火で軽く沸騰した状態で2〜3分ほど煮込む。
⑦一口大に切った鶏肉を加え、中火で沸騰させ10分ほど煮込む。
⑧生クリーム、お好みでカスリメティを入れ、1~2分ほど煮込む。
Point:生クリームの量はお好みで加減してください。
⑨皿に盛り付けて完成
4.ほうれん草カレーの緑色を鮮やかにする方法
ほうれん草カレーはなんといってもその緑色の見た目が特徴的です。スパイスを入れるとどうしても少し色がくすんでしまいますが、より鮮やかな緑色にしたい場合はほうれん草を茹でるときに「重曹」を加えると綺麗な色になります。
また、トマト缶を使用すると、トマト缶自体が赤色が濃いため、全体の色に影響しやすいです。代わりに生トマトを使用するとさらに鮮やかな緑色に仕上げられます。
4.ほうれん草カレーをさらにインド風にするためのワンポイント
より本格的で、お店で食べられるようなほうれん草カレーを作りたい場合は、最後に「カスリメティ」という乾燥葉のスパイスをひとつまみ入れてみましょう。
ほろ苦さと上品な葉の香りが複雑に絡まり、ほうれん草の単調な青くささから立体感のあるレベルアップした香りになります。是非試してみてください。
いかがでしたか?今回は、スーパーでも手に入りやすいスパイスで作れる簡単ほうれん草カレーの作り方をご紹介しました。
ぜひ作ってみてくださいね。作ったらぜひ、感想をコメントしてください。
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